株式会社ウッドテックキムラ様本社屋「奏[KANADE]」の見学会があるということでお邪魔して来ました。
設計は設計組織DNA様。
敷地は通りの多い道路の角地に建つ工務店さんの社屋。
角地とはいえ一方の道路は線路に沿っており
線路下を潜り抜けてすぐの角地のため角地ではあるものの建物は交差点とは反対側に向いて「への字」型に配置されてます。
交差点側から
人通りも多い道なので腰掛けれるようなベンチも用意されている模様。
外壁、軒裏は全てレッドシダー+キシラデコール塗装(確か軒裏はオスモとおっしゃていたように記憶)
建物の角の部分は通り抜けできるようになっています。
建物入ってすぐの床。
木の断面が見えるようにタイル状に敷き詰められています
バルコニーへの引き戸
窓は全て木で製作されているので自由度はあるものの、このボルトを締めるように施錠する鍵なんかは面白さと拘りを感じます。
こいうった部分は当たり前のように既製の金物なんかから選びがちな部分であり、ついそうしてしまっている自分の思考停止状態に気づかされた次第。
設計にはこういう遊び心が必要ですね。
こちらは引き違いの窓なんですが
召し合わせ部分を柱の向こう側に隠すことで上にある突き出し窓?と同じようなデザインに揃えてあります。
ただ、引き違い窓の場合、召し合わせ部分でクレセントにより施錠するのが一般的ですが、ここでは召し合わせ部分が隠されているので 別の施錠方法がとられていました。
引き手となる部分の彫り込みを利用してそこで施錠。
このあたりの工夫も窓を木で製作していた頃はよくあったのかもしれないが、アルミサッシュが一般的な現在ではこの様な造りをみると感心させられます。
軒先に樋はなく内樋、タテ樋は鉄の丸柱と同色で同形状程度の物にして目立たないように配慮されています。
柱と手摺の納まり。
換気扇の排気のためのベンドキャップも安易に設けず、設備関係の露出を徹底的に排除してあります。
これはよくわからなかったのですが、ガラスの前に見える✖️の部分、
構造的に耐力を持たせるためのブレースのようですが、横架材(梁)に接続されていませんでした。
一般的な木造の感覚で行くと筋交いというのは柱と横架材(梁)との交わる部分に取り付けることになっているので
この柱のみに設けられているブレースがどれ程の耐力を負担しているのかは全く想像つかなかったです。
ただ言えることは、ハリボテのデザインではなく建物の形態にかかわる部分までデザインしようと思うと
意匠設計者だけの力では限界があり、良き構造設計者との協働は必須になるということ。
この建物にはソーラーパネルが乗っており屋根形状はそこから導きだされている部分はあるようなのですが
一部、形状が谷になっている部分があり、そこの防水面の納め方はどうなっているのか気になってしまいました。
実は、この場所 実家からとても近く 小さい頃から通っていた場所。
建築中から何が出来るのか、自分の母も興味津々でした。
恐らく、近隣の方々も同じ思いでいたと思います。
この敷地の接する道路は、車も人の通行量も結構多いです。
敷地の角の部分に腰掛けれる様なベンチらしきものもありましたが、今後 そこで地域の方同士が挨拶がてら話し込んでる場面が想像できてしまうのですが、実際そうなるような地域のことまで考えられた建物であったように思います。