以前、設計した物件の土間と基礎の立ち上がりの一部にひび割れが発生したとの事で
昨年末、施工業者さんが補修に行って下さっていた。
何故ひび割れが起こったのか原因は特定出来ていないが、コンクリートは生き物と言われる程なので、
ひび割れ無しとは現実的には難しい面もある。
とはいえお施主さんにとってはひび割れなんてとんでもないと思うのは当然で
設計の段階から取れる対策は可能な限りとっておく必要がある。
ただ、設計時、監理時に最大限の対策をとったとしても
それでも結果としてひび割れの可能性があるということを
伝える必要性も覚えておきたい。
ピンチはチャンスといってしまうとお施主さんに失礼なんですが
問題か起こった時こそ、知識として蓄えられるいい機会になるので
この機会を大事にしたいと思う。
ということで以下は資料の抜粋ではある。
■資料より■
1、打設後の急激な乾燥等の悪影響に対し適切な養生を行う
2、材料、調合計画
① 単位水量 制限は185kg/m3であるが、誘発目地を設けられない様な場合は
170kg/m3以下を目標に計画する
② ①で決定した単位水量で適切なワーカビリティーが得られない場合には
高性能AE減水剤等の採用を検討する
3、誘発目地を設ける
● 非耐力壁
→壁の両面に3m程度以内ごとに設ける
→深さは図によるものとし断面欠損率20%以上確保
● 耐震壁
→壁の両面に設け開口部は開口部補強筋を設ける
→目地深さは両面ともふかし鉄筋のかぶり厚さを確保
→断面欠損率は20%以上確保
● ベランダ、外部廊下等の片持ちスラブ
→3m程度以内ごとに
→スラブの出寸法や厚さ等の断面が変わる位置
→手すりのスリット位置や高さの変わる位置(手すり壁の目地と合わせる)
●デッキスラブ、土間スラブ
→ カッター目地は4〜6m間隔
→仕上げがある場合は仕上げ目地に合わせる
4、開口補強筋を設ける