階段の寸法というのは建築基準法で定められており、
住宅の場合は蹴上げ230ミリ以下、踏面150ミリ以上となっています。
しかし この寸法ギリギリの階段では上り下りするには急すぎます。
とある本によりますと 蹴上げ+踏面=420~450の範囲を目安にとされていました。
私がよく見る住宅会社の階段は概ね【階段1】のような寸法のものが多いようです。
200+180=380(420~450範囲外)よって急です。
おそらく、住宅会社の多くはこの寸法の前後ではないかと思います。(個人的感想)
やはり大人の足のサイズを考えると踏面240近くはあった方がいいと思います。【階段2】
200+240=440(420~450範囲内)
その分、階段が占める割合(2700ミリ→3540ミリ)は増えることになりますが
階段は踏みは外しなど危険な場所でもありますし寸法の検討は入念に行う必要ありです。
階段1と階段2の差
ちなみに安藤忠雄氏の住吉の長屋の階段は(安藤忠雄のディテール記載によると)
蹴上げ206.67 踏面230となってます。
以前(相当前なのでうろ覚えですが)、安藤氏がTVのなかで、スタッフの方に
「自分が描いてる寸法の上り易さもわからず図面を描くな、わからないのであれば、
夜帰ってから実寸で造って検討してから描け」と指導されてました。
本来、設計とはこういうことを言うのだと、反省するばかりですが
正直、ここまでのことがなかなか出来ないのも現実。
420~450といのは住宅の設計においてひとつの目安に出来る寸法ではないでしょうかね。