住宅の省エネ化を考える上では、Low-Eガラスの使用というのは当然検討項目に入ってきます。
一言でLow-Eガラスと言っても方位によって「高断熱タイプ」と「遮熱高断熱タイプ」の
使い分けが必要です。
南面には「高断熱タイプ」
→遮熱性能が高いと夏場の日差し(日射)カットには役立つのですが、冬場に取り入れたい日差しをも
カットすることになってしまいます。
夏場は太陽高度が高く、南側の日射は軒の出や庇、簾でカット出来るので「高断熱タイプ」の
Low-Eガラスを選択します。
北面には「高断熱タイプ」
→北面はほとんど日射の影響を受けないので「高断熱タイプ」を選択します。
ちなみに、北面の窓ガラスは冬場 結露が最も発生しやすいので「高断熱タイプ」Low-Eガラスは
使っておきたいところです。
東・西面には「遮熱高断熱タイプ」
→東・西面の夏の日差し(日射)は太陽高度が低く軒の出や庇では遮れないので
「遮熱高断熱タイプ」のLow-Eガラスを選択します。
南面同様、冬場の日差しを取り込みたいところではありますが、冬場の東西からの日差しは
時間が短いので東西面は夏場対策が重要になってきます。
と、まぁ このようにLow-Eガラスの使い分けを考える必要があります。
予算がなくても、せめて北面だけにでも高断熱タイプのLow-Eガラスを使用すると
結露対策に効果があるので価値があるのではないかと思います。
追記(2013/2/13)
準防火地域内での木造住宅は、延焼の恐れのある部分(1階は隣地、道路中心より3m、2,3階は5m)内は
防火性能のある窓(住宅用防火設備)が必要になります。
ここ何日か前に知ったのですが、現在 窓メーカー(トステムやYKKap等)は住宅用防火設備の個別認定を取得し
順じ商品を販売していっています。
これは、以前問題になった防火面の性能不足からくることらしいのですが、
メーカー曰く、現在 準防火地域内で使用できる住宅用防火設備は個別認定を取得した物に限ると
言うのです。
では問題がおこってからの間、準防火地域内に防火設備の必要な住宅が建たなかったのかといえば、
決してそんなことはないはずです。
ではどういうことか。
メーカー曰く、従前の防火認定の在庫品に限り使用可能です。と
いや、、、しかし、防火性能不足があったので問題になったはず、
にもかかわらず在庫品は使っていいというのはどういうこと?という疑問を抱いたりみたり
一体どれだけの在庫品があったんだろうか?と思ってみたり。
結局、窓メーカー全てに関わる話なのでかなりグレーな状況で有耶無耶にしたいんだと容易に想像できます。
では個別認定取得品とはどのうようなものなのか。
玄関ドアに関しては片開きドアのみで種類も少ない。
窓に関しては、サイズも種類も少ない。
それと、大きなところでは、硝子が網入りガラスとLow-Eガラスの複層で認定取得しているところ。
トステムに関して言えばガラスの位置関係が室外側網入りガラス、室内側Low-Eガラスで認定取得しているので
ガラスの位置関係が変更できない。
よって、現在の防火設備認定取得内容であると準防火地域内では
断熱タイプ、遮熱タイプと使い分けることが出来ないことになり
すべて断熱タイプということになってしまいます。